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読んだ本記録 『左岸』

2019年読み終わった本20冊目。


『左岸』江國香織

本の整理をしていたら出てきました。
本棚にさえなく、ケースに入れて押入の奥に入り込んでいました。

若い頃ずっと江國さんのファンで読み続けてきたのですが、最近はそれほどでもなく、なぜかこれは読まないまましまってあったようです。
2008年の発売だから10年以上。

読み始めたら、長い長い物語に入り込んでどんどん進みました。
主人公茉莉の子どもの頃から50代くらいまでが描かれていますが、誰の人生にも特別な物語はあって、やってきたボールを打ち返しながら生き延びていくのだ。

セリフはすべてこてこての博多弁で、博多弁自体は好もしい感じですが、わたしの中の江國作品らしくない感じもしてちょっともぞもぞするような。


この作品は、かつて『冷静と情熱のあいだ』がそうだったように、辻仁成さんと組んで、江國さんが女性側、辻さんが男性側を描く小説。

辻さんの『右岸』のほうも読んでみたいが、とにかく長いのでどうするかな。

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『左岸』江國香織
お気に入り度★★★☆☆
by amica-aroma | 2019-05-11 21:30 | 読書記録 | Comments(0)
2017年読み終わった本11冊目。


『なかなか暮れない夏の夕暮れ』江國香織

不思議な小説。
出てくる人物たちは現実的ではないようで現実的なようでもあり、だれにも共感できないような、みんなわかるような。

一応主人公なのか稔というのは50歳でわたしと同い年。
読書好きなところも同じなのでちょっとだけ共感するけど、相続した資産で暮らすボンボン。

他にも同年代の登場人物が多く出てきて、若い人(や子ども)も出てくるけど、だれも成熟していなくて、大人って何だろうとも思う。

Amazonのレビューで『著者の妄想というか願望なんでしょうけど、50過ぎた爺婆がセックスだのなんだのとか、正直気持ち悪くなっちゃいました。』という感想があって衝撃。
http://amzn.to/2pO86Rv

50で爺婆か・・・
まぁ、わたしだって自分が今22歳だったらそう思うか・・・
(22歳は適当。上記レビューが何歳の方によって書かれたかは不明)


小説の中で外国の小説(スパイ小説のような、ミステリー?)が書かれていて、それは個人的にはなくてもよかった気がするけれど、それがなければぜんぜん違うものになったかと思うと必要だったのだと思う。
取りくみとして。


ものすごく印象に残ったところを引用しておきます。

『夫婦というのはグロテスクだ。(中略)互いに相手の考えていることがわからなくても、それどころか、相手の存在を疎ましく感じるときでさえ、夜になれば一緒に眠り、朝になれば同じテーブルにつく。小さな不快さも言葉のすれちがいも、何一つ解決されないまま日々のなかに埋もれ、夜と朝がくり返され、夫婦以外の誰とも共有できない何かになってしまう。世間では、それを絆と呼ぶのだろう。だから、絆というのは日々の小さな不快さの積み重ねのことだ。』

しみじみと納得。


おもしろかったかと問われれば答えられないのですが、充実した読書時間だったことは確か。

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『なかなか暮れない夏の夕暮れ』江國香織
お気に入り度★★★☆☆
by amica-aroma | 2017-04-22 07:56 | 読書記録 | Comments(0)
2013年25冊目に読み終わった本。

『金米糖の降るところ』江國香織

何冊も続けて読んでいる江國さん。

3月の休日、ちょっとだるくて一日中家にいた日に、一日中かけて読み終わりました。


舞台の半分(メイン?)はブエノスアイレス。

アルゼンチンという国がだいたいこの位置にある、と知っているだけで、あとは何ひとつ知らない国。
想像もつかない。

そこで育った日系二世の姉妹の物語。

姉妹は、少女の頃からボーイフレンドを共有することをルールにしていた。

よくそんなことを思いつくと驚く。
ボーイフレンドを共有。

それは恋愛なのだろうか。

恋の切実さ、とか必然性のようなものは描かれていなくて、それが逆にひきつけられ考えさせられる結果になっていたようでした。


小説としては面白かった。

ずっとその世界に浸れる。
江國さんファンならば、かもしれないけれど。


読んでいる間、ワインが飲みたくなって困りました。
昼間、ワインをのみながら小説を読めたらどんなにいいでしょうね。

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『金米糖の降るところ』江國香織
お気に入り度★★★★☆
by amica-aroma | 2013-05-09 11:16 | 読書記録 | Comments(0)
2013年19冊目に読み終わった本。


『ちょうちんそで』江國香織

高齢者用のマンションに暮らす50代の雛子。

行方不明になり何十年も会っていない架空の妹と話しながら暮らしている。

わたしは独り言も言わないし架空の人と話したりしないけれど、なんだかよくわかるような気がする。

とても静かで繊細な世界。

帯や商品説明には「謎が解かれていく」と書いてあるのですが、謎は謎のままだったような気もします。
読んでいるわたしにかかっている?

人は多くの記憶とともに老いて、でも生きていく。
なんだか切なくなる物語でした。


お話の中に出てくる「チョイス」というビスケットがどうしても食べたくなります。

次に買い物に行ったときにどうしても買わなくちゃ。


→買いました。

好きなビスケットじゃなかった。
森永のビスケットは「ムーンライト」だな、やっぱり。

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『ちょうちんそで』江國香織
お気に入り度★★★☆☆
by amica-aroma | 2013-04-24 07:52 | 読書記録 | Comments(4)
2013年17冊目に読み終わった本。

『はだかんぼうたち』江國香織

ここ数年、新刊小説は買わないことにしているのに(中古で安くなるのを待つか文庫化されてから買うかに決めていたのに)どうしてか、久しぶりに買ってしまいました。

物語の世界に浸ってみたくなったので。


Amazonの動画で著者自身がこの小説の意図として「ありのままの人をかきたかった」と語っています。
「かく」は「書く」か「描く」かどちらだろう?


「ありのままの人」とはいっても小説に出てくるたくさんの人々は、わたしのまわりには全然いなさそうな人たちのようで、でもどこにでもいそうなようで、自分とはまったく違うのに、どこか自分のようでもあり。

ものがたりの中は不思議で普通の世界だった。

江國さんの小説は好き嫌いが分かれるのかもしれないけれど、圧倒的な力を持った人だと思います。

力というのは「技術」のこと。
小説を書く確かな技術を持っていると思うのです。
技術も何もないわたしが評するのもおかしいけれど。



どの物語を読んでもただひとつ絶対に否定できないこと。

人は全員違うということ。

現実の人も物語の中の人も。
全員違う。

毎日の生活の中でそれを忘れてしまうと疲れてしまう。

時には物語の世界にじっくり入り込んで、忘れないように、そして自分の道を歩けるようにしていきたいのです。


これをきっかけに読んでいなかった江國小説の数々を取り寄せた次第です。

しばらくその世界に逃避します。

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『はだかんぼうたち』江國香織
お気に入り度★★★☆☆
by amica-aroma | 2013-04-17 07:36 | 読書記録 | Comments(0)
2010年65冊目に読み終わった本。


『抱擁、あるいはライスには塩を』江國香織

数日間、朝起きると手にとり
気がつくと読みふけっていました。

いつも朝はPCを立ち上げてブログを書いたりメールチェックしたり
あとは録画したドラマを見るのが定番ですが
この本を読んでいる数日間は、PCもテレビもつけず
柳島家の世界に浸りきったのでした。

SPURで連載しているときから
早く単行本化されないかな、と待ちに待っていたので。



年に1~2冊しか小説を読まなくなって数年。

虚構の世界より現実を、と思ってそうしたつもりでしたが
すぐれた小説を読んでいると
どちらが現実か、とかそういうことはどうでもよくなってくるものですね。

家族三世代の物語の中の生活は、一般的ではない部分もあるけれど
それぞれの人の人生は、リアリティを持ったものとして迫ってきます。

年代が前後して様々な視点で描かれていることも
(途中で何度も前後関係を確認しないといけなかったけれど)
新鮮でした。



あたりまえだけど、みんなの人生が全部まったく違う。
何が普通かなんてわからないし決められない。

自分の、小さな小さな世界でいいんだ、
人と比べなくてもいいんだ、ということを
日々何度も確認しないとなかなか生きていけない。

その確認手段が小説であってもいいのだな。


内容がどんなものであれ、読書は本当に愉しく素晴らしい。
by amica-aroma | 2010-11-14 13:59 | 読書記録 | Comments(0)
2010年21冊目に読み終わった本。


『真昼なのに昏い部屋』江國香織

週末貧血でふらふらする中、久しぶりに江國ワールドに浸りました。


まず、文体の新しさ、または懐かしさ?にちょっと驚きました。
登場人物にさんづけのですます説明文体。

―ジョーンズさんは思いました。
―美弥子さんは言いました。

これは恋愛小説で、恋愛の最初から最後までが全部細かく細かく書いてあって、恋愛の、悲しいところは書いてないけどなんとなくもの悲しくなった。


たまには恋愛小説も。
by amica-aroma | 2010-03-30 06:34 | 読書記録 | Comments(0)