読んだ本記録 『【増補改訂版】心の傷を癒すということ』

2011年59冊目に読み終わった本。

『【増補改訂版】心の傷を癒すということ―大災害精神医療の臨床報告』安克昌

1995年1月に起きた阪神大震災を受け、翌年出版された書籍の増補改訂版。

あらゆる方面から復刊が望まれていたようで、今年東日本大震災が起きたことを受けたからなのでしょう、大々的に増補改訂され、新たに出版されたようです。

著者は精神科の医師で、阪神大震災の被災者でもあります。
災害後の精神医療について、現実、迷いなども含めて書かれています。

心のケアの専門的なことも書かれていますが、専門家でないわたしでもわかるように書いてありますし、著者のそもそもの人柄のよさとバランスのよさが文章に表れていて、じっくり読めてしまいました。

「心のケア」という言葉が盛んに言われるようになった昨今ですが、心をケアすることなんてできるのだろうか。
たとえそれが専門の精神科医であっても。

そういう人間としての迷いも表現しつつ、プロとして医療にあたり、こうして文章を残した著者の功績は大きいのだと思います。



著者の安克昌さんは、2000年にガンのため亡くなりました。

40歳の誕生日の数日前という若い死です。
2日前に3人目の子どもが産まれたというのに。
亡くなる1ヶ月少し前までは診察をしていたというのに。

今年、再び起きた大きな災害のときに彼がいてくれたら、とどんなに多くの人が思っていることでしょう。

かみさまは、こういう必要な人を死なせてひどい…と思ったりもするけれど、命の優先順位はないから、世の中にすごく必要な人にも、一見そうでない人にも死はやってきてしまう。
早いとか遅いとか、それはわたしたち人間の、実は勝手な概念なのだろう、と思ったりしています。

こうして、再びこの本が世に出たことで、著者の思いを受け継いでいく人もたくさん出るだろうし、いろいろなことが報われていくのであってほしい。

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『【増補改訂版】心の傷を癒すということ―大災害精神医療の臨床報告』安克昌
お気に入り度★★★★☆
by amica-aroma | 2011-10-26 07:32 | 読書記録 | Comments(0)

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