読んだ本記録 『切羽へ』

2010年66冊目に読み終わった本。

『切羽へ』井上荒野

めずらしく続けて小説を読む日々。

この著者の作品はずっと読んできましたが
最近少しご無沙汰していました。

どうしてこの人の文章はこんなになまなましく
でもまったくいやらしくないのでしょう。

そして文章には書いていない空気が見えるような感じは
本当にうまいと思います。

文庫の帯に「繊細で官能的な大人の恋愛小説」とありますが
官能的な文章は何もないのだ。

好きになった男に、まったくさわりもしないし。
さわるだけがすべてじゃないけどさー。

でも空気が官能的というか。
文と文の間に漂うというか。

文庫解説で山田詠美氏が
「全編に渡って、書くより書かないことの大切さが伝わって来る。それは、行間を読ませるというような短絡的な技巧とは違う。井上荒野さんは、書いた言葉によって、書かない部分をより豊穣な言葉で埋め尽くす才能に長けた人だ」
と書いていてその通りだな、と思いました。


物語は他の井上作品に比べて若干もの足りない気もしましたが
それはわたしが女として未熟だからかも。
または描かれる世界が美しすぎるからかもしれません。

とにかく、うまいです。



この季節、毎日読書が進みます。
by amica-aroma | 2010-11-18 21:48 | 読書記録 | Comments(0)

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by amica(あみーか)