読んだ本記録 『病み上がりの夜空に』

2015年読み終わった本23冊目。


『病み上がりの夜空に』矢幡洋

3月初旬に読みました。
なんとなく図書館で借りて。

何かの病気をされた方のエッセイ?と思ったら違っていて。

しかしまたもタイトルが内容を正しく伝えてくれない(少なくとも最初のわたしにとっては)本でした。

しかも表紙の都会の夜空もイメージが違うような気がするし。


内容はあとがきで著者が書いている。

『僕は最初、「社会が期待する発達障害児の家族」を演ずることを一切拒否して、発達障害児のいる家族のリアルをあるがままに伝えようという意図で本書を書き始めた。』

読み始めてすぐはこれが事実なのか小説なのかわからないのですが、読んでいくうちにノンフィクションだとわかりました。

著者である夫と心身症の妻(うつ症状もかなりある)、そして発達障害の娘の生活。

辛い話も多く出てくるのにどうしてか読むのを止められない。

よくわからないすごみのようなものと、少し離れた視点からとらえている文章が混じり合った不思議な文章でした。

さらにあとがきで著者が問いかけてきます。

『家族への「障害を受容し、前向きに明るく頑張れ」という道徳的脅しがどれほどプレッシャーであるか、当事者でなければわからぬ事情であろう。自閉症児には「みんな違って、みんないい」などという美しすぎる言葉が殺到するが、その母親や家族に対しては「みんな違って、みんないい」と言われることは全くないのだ。』

いろいろな意味で読むのが苦しかったけれど、著者の強いメッセージは伝わってくるのでした。

こうして振り返ってみれば、内容と合わないような気がしていた書名と表紙イラストも、やっぱり著者の心を表しているのではないかと想像できる。

都会の済んだ夜空を見たのではないか。
この本を書いて、そういう心持だったのではないだろうか、と。

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『病み上がりの夜空に』矢幡洋
お気に入り度★★★☆☆
by amica-aroma | 2015-06-23 21:07 | 読書記録 | Comments(0)

新潟市のアロマテラピー教室amica(アミーカ)の川上裕子です。ここでは日記・雑記・読書記録・お知らせなどを書いています。企業で働きながら自宅・出張レッスン等で活動中。


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