読んだ本記録 『野心のすすめ』

2013年28冊目に読み終わった本。

『野心のすすめ』林真理子

ゴールデン・ウィークの4連休あたりに読みました。

10代の終わりから20代を、バブルと『anan』で生きてきたので、林さんにはいつもメディアを通して接していました。
そのたびに、こんなに素直でいいのだな、と思ってきました。

そう、自分の欲望に。
わたしたち(の多く)は、自分の欲望をなるべく表に出さないことを教育されてきたのに。

この『野心のすすめ』はその強欲人生がすべてさらけ出され、すべての世代の男女に喝を入れるメッセージが詰まっていました。

読む人によっては「結局は自慢話?」「無理矢理な自己肯定?」などと思う方もいるかもしれません。

でもわたしはそれだけではここまで書けないと思いました。

林さんはこう書いています。
『書くからには内臓までお見せする気で、目を背けたくなるような自分をも切り刻んでいかなければならない』

これは小説を執筆する時に学んだこととして書かれている一部ですが、すべての文章にその覚悟がおありなのだろうな、と感じます。


「野心」というとなんとなく男性的なきれいな言い方になるけれど、要は欲望。
その強さが生きるエネルギーなのだな。

いつのまにか、みんな欲望を隠すところから、欲望をもたないようになってきたのだ。


確かに会社の若者たちを見ていても、出世しなくてよくて、新しいゲームやライブの分のお金はほしいけどファッションはそこそこでよくて、旅行には興味なくて、最低限日々暮らせるだけのお金があればよくて、土日はきちんと休めて、残業もないのがいちばんという人があまりにも多い。

わたしがあんたたちくらいの頃は深夜まで働いて出世と昇給を目指して必死だったよ、なんて言おうものなら(絶対に言わないけど)きょとんとされるに違いない。

そんな人たちに対し林さんは『いま、「低め安定」の人々がいくらなんでも多すぎるのではないでしょうか。』と問いかけています。

また、『人は自覚的に「上」を目指していないと、「たまたま」とか「のんびり」では、より充足感のある人生を生きていくことはできないのです。』とも書いています。

ご自分の半生をさらけ出しながらも、最後まで「みんなで上を目指そう」というメッセージを送り続ける本でした。

好き嫌いの分かれる本ではあると思いますが(わたしも好きかと言われると難しい・・・)、もやもやと停滞しているのなら読んで損はないと思います。


何事にもバランスは大切ですけどねぇ。

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『野心のすすめ』林真理子
お気に入り度★★★☆☆
by amica-aroma | 2013-05-16 09:01 | 読書記録

ぐだぐだな日記10年毎日更新→最近は気まぐれ更新。


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